朝比奈 隆 Takashi ASAHINA 指揮者
1908年東京生まれ。京都大学を卒業、在学中よりヴァイオリンをモギレフスキーに、指揮をメッテルに師事した。1940年に新響(現在のN響)を指揮してデビュー、以後上海響、ハルビン響などの指揮者を歴任。1947年、関西交響楽団を創設、常任指揮者となる。1960年には、大阪フィルハーモニー交響楽団と改組し、関西楽壇の中心として、生涯に渡り大阪フィルを育て上げた。豊かな音楽性と深い音楽への情熱、造形的なすばらしい構成力により、晩年は世界指揮界の最長老として、確固たる地位を築いた。海外での演奏歴も多く、1953年にヘルシンキ市立管弦楽団に客演したのをはじめとして、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ハンブルク北ドイツ放送交響楽団など60余りの客演を行っている。1975年には手兵大阪フィルを率いてヨーロッパ演奏旅行を行い各地で絶賛を博した。国内では、その造詣の深さ、強烈な個性、重厚な指揮ぶりで多くの熱狂的な支持を得ており、大阪フィル、新日本フィルをはじめとして、全国各地の主要なオーケストラに客演、精力的に活動した。大阪フィルの音楽総監督、新日本フィルの顧問のほか、日本指揮者協会会長、オペラ団体協議会会長、大阪音楽大学教授などをつとめた。1996年にはシカゴ交響楽団を指揮して北米デビュー、その模様はニューズ・ウィーク誌により広く紹介された。2000年にはNHK交響楽団へ2回客演し、ブルックナー<第4>、<第9>で圧倒的な大演奏を行う。録音も数多く、ベートーヴェン:交響曲全集を世界最多の7度、ブルックナー、ブラームス交響曲全集をそれぞれ3度リリースしている。1984年から87年にかけては新日本フィル定期演奏会でワーグナー「ニーベルングの指環」を全曲演奏、CD化で注目を集めた。紫綬褒章、日本芸術院賞、ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字賞、朝日賞、NHK放送文化賞、毎日芸術賞、ザ・シンフォニーホール・クリスタル賞、勲三等旭日中綬賞、キワニス大阪賞を受賞。1989年には文化功労者に選ばれ、1994年文化勲章を受章。2001年12月29日逝去。享年93歳。没後、従三位に叙せられる。
photo(C)Akira Kinoshita
クリスティアン・アルミンク Christian ARMING 指揮者
1971年、オーストリア・ウィーン生まれ。24歳でヤナーチェク・フィルを指揮してデビューし、最年少で首席指揮者に指名された。同じく24歳でザルツブルク音楽祭にもデビュー。その後欧州各地で活躍を続ける。1996年には、シューベルトとヨハン・シュトラウスの作品で初レコーディングを行い、1998年にはヴェルディ、1999年にはヤナーチェクの作品集をリリース。1997年のザルツブルク音楽祭の公式開幕コンサートに登場し、モーツァルテウム管弦楽団と共に、モーツァルト等々の演奏で評価を高め、1999年に再度登場した。1999年から2000年シーズンの間は"プラハの春音楽祭"におけるシュトックハウゼン作曲の歌劇『グルッペン』で大成功を収めたほか、シンシナティでのブリテン作曲歌劇『ねじの回転』、トリエステのリリコ劇場でのR.シュトラウス作曲楽劇『薔薇の騎士』、ヴェローナでの同楽劇『サロメ』での公演などでも大成功を収めている。2002年〜2003年シーズンには、スイスのルツェルン歌劇場の音楽監督とルツェルン交響楽団の首席指揮者を兼任するなど、活躍の場を広げている。2003年9月より新日本フィル音楽監督。
飯守泰次郎 Taijiro IIMORI 指揮者
1962年 桐朋学園短期大学音楽科(指揮科)を卒業。藤原歌劇団公演「修道女アンジェリカ」でデビューを飾る。1963年から70年まで読売日響の副指揮者を務め、1964年4月の同団との演奏に対し、1965年外国人記者賞(東京)を受賞。1966年ミトロプーロス国際指揮者コンクールに入賞。翌1967年から70年にかけてブレーメン市立歌劇場指揮者兼コーチとして研鑽を重ね、その間1969年にはカラヤン国際指揮者コンクール(ベルリン)で第4位入賞を果たす。以後めざましい活躍を続け、国内では1972年から76年まで読売日響指揮者、国外では1970年よりバイロイト音楽祭の音楽助手として数々の歴史的公演を支える。1970年より73年までマンハイム市立歌劇場、73-75年ハンブルク歌劇場、77-78年レーゲンスブルク市立歌劇場に指揮者兼コーチとして籍をおいた。1972年 芸術選奨新人賞(東京)、シーズン最高指揮者賞(バルセロナ)を受賞。1978年から83年までエンスヘデ市立歌劇団第一指揮者、79年にはエンスヘデ市立音楽院オーケストラ指揮者(現在オーケストラ顧問)となり現在に至っている。近年、国内では主要オーケストラの定期公演等において、情熱的な演奏を繰り広げていずれも好評を得ている。ヨーロッパの歌劇場で積み上げてきたオペラに対する深い造詣、特にワーグナー作品を積極的に日本楽壇へ紹介してきた功績には特筆すべきものがある。1993年から98年まで名古屋フィルの常任指揮者を務め、その第200回定期演奏会でワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を演奏会形式で指揮し大成功へと導いた。また、楽団創立30周年記念演奏会のライヴCDは1996年度文化庁芸術作品賞を受賞した。1997年9月より東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の常任指揮者に就任している。また2001年1月より関西フィル常任指揮者を兼任。新ベーレンライター版による「ベートーヴェン・ツィクルス」、「ラインの黄金」「パルジファル」「青ひげ公の城」等の公演により2000年度サントリー音楽賞を受賞。また2000年より開始したワーグナーの「ニーベルングの指環」四部作において、演奏史に残るべき質の高い演奏と充実した舞台を実現し、平成15年度芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。
大植英次 Eiji OUE 指揮者
2003年より朝比奈隆の後任として大阪フィルハーモニー交響楽団音楽監督に就任、世界的な期待と注目を集めている。また、1998年よりハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーの首席指揮者に就任、ヨーロッパ各地と南米で演奏旅行を行い、高い評価を得た。2000年からはハノーファー音楽大学の終身正教授も務めている。2007年9月よりバルセロナ交響楽団の常任指揮者兼アーティスティックアドヴァイザーに就任することが決まっている。広島生まれ。桐朋学園で齋藤秀雄に指揮法を師事。1978年アメリカに渡り、小澤征爾の招きでタングルウッド・ミュージック・センターに学び、同年ニューイングランド音楽院指揮科に入学。タングルウッドでレナード・バーンスタインに出会い、以後世界各地の公演に同行、助手を務めた。ほか、ラリー・リヴィングストン、クラウディオ・アバード、コリン・デイヴィス、クルト・マズアに師事。バッファロー・フィル準指揮者を経て、1991年から95年までエリー・フィルの音楽監督を務め、同団の実力を飛躍的に向上させる一方、活発な地域活動を行い全米で評価された。1995年から2002年まで名門ミネソタ管の第9代音楽監督を務め、世界各地へのツアー、CD録音などで、世界中の脚光を浴びるようになった。1997年から2003年まで、アメリカ、ワイオミング州で毎年夏に行われるグランド・ティートン音楽祭で音楽監督を務め、同音楽祭管弦楽団を世界的水準にまで高めた。客演指揮は、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、フィラデルフィア管、ドイツ各地の放送交響楽団、ミュンヘン・フィル、ベルリン・ドイツ響、ロンドン響、オスロ・フィルなど欧米の主要オーケストラで行い、絶賛を博している。2005年、新演出の「トリスタンとイゾルデ」で日本人指揮者として初めてバイロイト音楽祭で指揮し、世界中の注目を集めた。
photo(C)Takashi Iijima
外山雄三 Yuzo TOYAMA 指揮者
1931年東京に生まれる。東京音楽学校(現在の東京芸術大学)で作曲を学び在学中の51年「クラリネット、ファゴット、ピアノのための三重奏曲」で第20回音楽コンクールに入賞。52年卒業と同時にNHK交響楽団に打楽器練習員として入団。54年には指揮研究員となった。 56年9月にNHK交響楽団を指揮してデビュー、以後各オーケストラに数多くの客演をするようになった。58年から60年にかけてウィーンに留学、59年にはザルツブルグ・モーツァルテウムにおいてラインスドルフ氏のマスタークラスに学んだ。 60年NHK交響楽団の世界一周演奏旅行に同行し、ヨーロッパ各地12ケ国で演奏。指揮者としてばかりでなく自作の「管弦楽のためのラプソディ」によって作曲家としてもその名をひろめた。85年ニューヨークで開催された国連40周年記念コンサートにおいてNHK交響楽団を指揮したほか、海外でも日本を代表する指揮者、作曲家として、たびたびオーケストラやコンクールから招かれている。 63年第12回尾高賞、81年第1回有馬賞、83年第14回サントリー音楽賞を受賞。 現在、NHK交響楽団正指揮者、仙台フィルハーモニー管弦楽団音楽監督を務めている。 「交響曲 第2番」が第48回尾高賞を受賞。 自作を含むタイトルが発売されている。
ジャン・フルネ Jean FOURNET 指揮者
1913年フランスのルーアンの生まれ。パリ国立音楽院で学び首席で卒業した。44年フランス放送管の常任指揮者、オペラ・コミックの初代指揮者となり57年まで音楽監督をつとめた。1945年から1962年までパリ・エコール・ノルマルで、この学校の創始者であり校長でもあったアルフレッド・コルトーたっての依頼により指揮法の教鞭を執った。また長年にわたり、オランダ放送協会の指揮コースで指導を続け、さらにブザンソン国際指揮者コンクールの審査委員長でもあった。68〜73年オランダのロッテルダム・フィルの芸術監督、現在はオランダ放送管の終身指揮者に就任。正統的なフランス音楽を継承する大指揮者として知られている。87年以来メトロポリタン歌劇場に招かれ、サン=サーンス「サムソンとデリラ」などを指揮し大好評を博した。フルネの初来日は1958年ドビュッシー「ペレアスとメリザンド」日本初演を指揮した時だったが、それ以降日本の音楽界とは緊密な関係を保ってきた。1978年都響に初客演、83年〜86年定期招聘指揮者に就任、その後も定期的に客演を続け、88年の都響ヨーロッパ演奏旅行に同行、ミュンヘンその他で指揮し好評を博した。これら多くの功績により1989年12月都響名誉指揮者の称号が贈られた。フルネはアメリカの主な都市やホールでの指揮活動も活発で、メトロポリタン・オペラをはじめシカゴ、サンフランシスコ、モントリオール、ケベック、シアトル、ブエノスアイレスのコロン劇場などに登場している。
ガリー・ベルティーニ Gary BERTINI 指揮者
旧ソ連(現在のモルドヴァ共和国)で生まれ、幼い頃イスラエルに移住した。テル・アヴィヴで音楽教育を受けた後、ミラノのヴェルディ音楽院、パリ・コンセルヴァトワール、エコール・ノルマル、ソルボンヌ大学を修了。オネゲル、メシアン、N.ブーランジェ、J.シャイーに師事した。1958年イスラエル・フィルハーモニック管弦楽団を指揮してデビュー。またリナ室内合唱団、イスラエル室内管弦楽団・室内歌劇団を創設し音楽監督を務めた。その後、スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者(71〜81年)、エルサレム交響楽団音楽監督(78〜86年)、デトロイト交響楽団ミュージック・アドヴァイザー(81〜83年)、ケルン放送交響楽団(83〜91年)、フランクフルト歌劇場総監督(87〜90年)、テル・アヴィヴのイスラエル歌劇場芸術監督(94〜95年)を歴任し、95年よりパリ・オペラ座と密接な契約を結んでいる。世界各地の一流オーケストラに常連の客演指揮者として出演を続け、ベルリン、ウィーン、ルツェルン、ティボリ、コペンハーゲン、バース、ペルージアなどの国際的な音楽祭に招かれた他、87年〜92年の間音楽監督を務めたイスラエル音楽祭に、定期的に出演している。ジョスカン・デ・プレからベリオ、カーゲルに至る幅広いレパートリーをもち、なかでもマーラーの解釈と演奏の権威として世界的に知られ、ケルン、ウィーン、東京で連続演奏会を行う。さらにその広い知識と20世紀音楽に対する共感により、現代音楽の理想的な解釈者として知られ、世界的な現代作曲家の作品の初演を数多く手掛けた。東京都交響楽団には81年、85年、93年と客演を重ね、98年より2005年まで第4代音楽監督に就任し、ブラームス作品、フランス音楽を積極的に取り上げ都響の一層の充実に大きな成果をもたらした。2000年〜04年に埼玉、横浜で開催された<マーラーシリーズ>は絶賛を博し、マーラー演奏に新たなページを加えたことは記憶に新しい。05年より都響桂冠指揮者。
山田一雄 Kazuo YAMADA 指揮者
1912年東京に生まれた戦後日本を代表する指揮者である。 学習院を経て東京音楽学校(現、東京芸大)に入学。ピアノをレオ・シロタ、パウル・ワインガルテンに、作曲をクラウス・プリングスハイムに師事。1935年に同校を首席で卒業した。 その後外遊し、帰国後作曲家として「交響的木曽」やバレエ「印度」等を発表し当時の日本の代表的作曲家として活躍した。その後ローゼンシュトックに指揮法を師事した。 1942年、新交響楽団(現、NHK交響楽団)の専任指揮者として迎えられる。この時期にマーラーの交響曲第8番「千人の交響曲」、ストラヴィンスキーのバレエ「春の祭典」、ショスタコーヴィッチの交響曲第5番、ガーシュウィンの「パリのアメリカ人」ハチャトゥリャンのバレエ「ガイーヌ」などを日本初演する。1949年にはオペラ「ヘンゼルとグレーテル」上演で毎日音楽賞を受賞する。 東京芸術大学教授、京都市交響楽団音楽監督、日本合唱協会音楽監督、日本マーラー協会副会長を歴任。 1978年には「山田一雄の世界」公演で四夜に渡りその円熟した成果を披瀝した。 1976年 紫綬褒章、79年 芸術選奨文部大臣賞、84年 勲四等旭日小綬章、86年 芸術院賞を受賞。 1991年 逝去。 モーツァルト、チャイコフフスキーの2タイトルは、巨匠が遺した貴重な記録である。
若杉 弘 Hiroshi WAKASUGI 指揮者
1935年生まれ。 東京芸大指揮科卒。金子 登、齊藤秀雄に師事。卒業と同時にNHK交響楽団指揮研究員になり、カイルベルト、マタチッチ、アンセルメ、マルティノン、エレーデ、サヴァリッシュ諸氏の薫陶を受ける。 1995年?NHK交響楽団正指揮者 読売日響常任指揮者、ケルン放送響首席指揮者、ライン・ドイツ・オペラ音楽総監督(GMD)、ドレスデン国立歌劇場及びシュターツカペレ常任指揮者、チューリッヒ・トーンハレ協会芸術総監督、同管弦楽団首席指揮者、東京都響音楽監督・首席指揮者を歴任。 1986年度第18回サントリー音楽賞、1992年第48回日本芸術院賞受賞。他受賞多数。びわ湖ホール芸術監督、東京芸術大学教授。日本芸術院会員。 CD「マーラー/交響曲全集」は日本演奏史に輝く不滅の金字塔である。

ピアノへ→